雨の日にはたまに

のどかにつづる

book

シブヤで目覚めて

わたしたちの在り処 文学を読んでいるあいだ、わたしたちはどこにいるのだろうか? ……いや、その、物理的な身体をもつわたしたちは、ソファーに寝そべったり、電車のポールにもたれかかったりしながら文学を読んでいるとして、わたしたちの心はどこにいるの…

カレン・ブリクセン

『七つのゴシック物語』 2021年にデンマークにやってくるにあたり、紙の小説のほとんどは日本に置いてきてしまったのだけれど、もうだいぶ前に読んで内容もかなり忘れてしまった小説を数冊だけ持ってきた。そのなかのひとつが『七つのゴシック物語』(白水Uブ…

ロヨラアームズの昼食

自分のことを棚に上げて、自分と周りの人間は違うのだという自意識に浸ることができるのは大学生くらいの年代の特権なのではないかと (私自身のn = 1の経験をもとに) 私は思う。周りを見渡すと、ほとんどの同級生はつまらないシステムに盲目的に従い、人生の…

チェコの現代小説いろいろ

今年はふとした縁からチェコとつながり、行ったこともないこの中欧の国についてすこしでも知識を得ようと、チェコの小説を集中的に読んだ時期があった。チェコのことに通じた達人のような人が身近におり、いろいろと教えてもらったことで、情報収集の幅はさ…